シェアハウス全国行脚 in 北海道:日本最北端・湯治の街のシェアハウス② ~湯治移住者の「ありがとう」が詰まった家・餅Cafe&Stayわが家

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こんにちは、ライターのまりもです。

ライターまりものシェアハウス全国行脚。

全国のシェアハウスを巡り、それぞれの「100人100家100色」なシェアハウス生活・コミュニティ作り・人々の生き方をお届けします。

今回は、前回に引き続き、日本最北端・湯治の街のシェアハウス第2弾。餅Cafe&Stayわが家をご紹介します。

 

北海道豊富町ってどんな街?

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豊富町は、札幌からバスで5時間、日本最北の温泉郷・豊富温泉で有名な街。豊富温泉の、石油の匂いや油分を含んだ独自の泉質が、アトピー性皮膚炎や乾癬に効果があると注目されており、アトピー性皮膚炎等に悩む多くの方が湯治目的にこの街を訪れます。

 

餅Cafe&Stayわが家とは?

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餅Cafe&Stayわが家は、オーナー・堂脇さとみさんが、2011年11月にオープンしたカフェ。北海道の安全な食材を使用したメニューを取り揃えています。店内には、子どもが遊べるキッズルームも完備、地元の高校生から会社員、親子連れ等、幅広い世代の人々が集う場所になっています。

当初はカフェ営業のみでしたが、2015年3月に女性専用シェアハウス運営を開始。現在は4名の湯治目的での移住者の方が暮らしているそうです。(2015年11月現在)

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餅Cafeわが家のランチ。稚内産の勇知いも等、地元の野菜や特産品を使用。

 

今回は、オーナー・堂脇さとみさんと、わが家で暮らすヨガインストラクター・中島まなみさんに、お話をお伺いしました。

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左:堂脇さとみさん、右:中島まなみさん

オーナー・堂脇さとみさんに聞く!豊富町への移住から餅Cafe & Stayわが家の立ち上げ

オーナーの堂脇さとみさんは、旭川出身。幼い頃からアトピーに悩み、出産を機に症状が悪化、2009年に当時1歳半の息子と豊富町に移住されたそうです。堂脇さんに、豊富町への移住から餅Cafeわが家の立ち上げ、シェアハウス開設に至るまでのお話を伺いました。

―餅Cafeわが家を立ち上げたきっかけは何でしたか?

堂脇さん:移住した当初、アトピーの息子と共に、親子で湯治をしながら、全く知らない土地で生活していくのは、とても大変でした。当時は、豊富町への移住者は少なく、移住者を受け入れる体制が整っていなかったんです。

まちの人たちに支えられながら湯治を続け、アトピーが少しずつ回復してきて「豊富温泉に、まちの人たちに、恩返しがしたい」と思うようになりました。また、私自身子育てをする中で、「湯治で豊富町に訪れる親子をサポートしたい」という想いがあったんです。その夢への第一歩として、まちの人も湯治目的で訪れた人も、気軽にふらっと立ち寄れるような場所を作りたいと思い、餅Cafeわが家を立ち上げました。

 

 ―シェアハウスを開設したきっかけは何ですか?

堂脇さん:餅Cafeわが家の物件は、以前は民宿で、カフェ開設時は、住居向け個室は空き部屋のままにしていました。中島さん等、湯治目的の移住者に出会う中で、空き部屋をシェアハウスにして、賃料としていただいたお金を将来親子で暮らせる空間に作り替えていく資金にしよう、と思い立ったんです。親子の湯治へのサポートを考える上で、直面するのが場所の問題。子どもの湯治には、親の同伴が必要ですが、親の仕事等の事情もあり、四六時中の同伴は難しいのが現状です。ホームステイ湯治等、湯治目的の親子の受け入れ先ができないか、と以前から考えていました。

この物件は、建物の構造上、親子向けの居住スペースへの改装が難しかったので、空き部屋を女性専用シェアハウスに改装して、2015年3月にオープンしました。今は中島さん含め、移住者の女性4名が入居しています。(2015年11月現在)

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シェアハウスの個室。

新聞記事

堂脇さんのシェアハウス開設は、地元紙(北海道新聞)でも取り上げられた。

 

 

わが家住民・中島まなみさんに聞く!豊富町への移住と暮らし

中島さんは、愛知県出身。幼い頃からアトピーに悩み、20歳の頃ヨガと出会い、ヨガインストラクターの道へ。2009年に初めて豊富町に湯治に訪れ、2014年に移住されました。今は、わが家で暮らしながら、豊富町ふれあいセンターや、稚内市等、宗谷地域でヨガ教室を開催されています。中島さんに、豊富町への移住したきっかけや暮らしについてお話を伺いました。

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豊富町ふれあいセンターでのヨガ教室の様子。

―豊富町に移住したきっかけは何ですか?

中島さん:初めて豊富町に湯治に訪れたのは6年前。出産を機にアトピーが悪化し、皮膚が擦れて痛くて服を着ることもままならない時期でした。堂脇さんとの出会いもその時でしたね。

それから3年後、再び豊富町に湯治に来たら、堂脇さんが餅Cafeわが家をオープンしていて、私のような湯治目的の移住者の為の場を作ってくれていたんです。私はヨガインストラクターの資格を持っており、ここで湯治目的の訪問者の役に立てるのでは、と考え、豊富町に移住しました。わが家への入居も、堂脇さんとの出会いがきっかけでした。

 

―初めて豊富町を訪ねた時と、移住して2年経った現在との間に、豊富町のまちの変化等、何か感じたことはありましたか?

中島さん:私が移住したここ2年の間に、まちを良くしたいという動きが特に活発になってきたと聴きます。

また、ヤドカリハウスのオーナー・志賀さんのように、私達移住者を応援してくれる地元の人たちが増えたのも変化の1つですね。ヤドカリハウスの立ち上げには、広島県から移住したwebデザイナーがHPを制作する等、私たち移住者も関わりました。まちを元気にするには、地元の人たちと移住者の協働が大切なんだなと実感しています。

 

堂脇さん、中島さんに聞く!わが家での暮らし、シェアハウス内での居心地の良い距離感を保つ秘訣とは?

―中島さんにお伺いします。わが家に住んでみてどうですか?

中島さん:居心地いいですよ。私は仕事が忙しくてほとんど家にいないのですが、一人で過ごす時間と、みんなでわいわいする時間との両方を持つことができて良いですね。

 

 ―堂脇さん、中島さんにお伺いします。シェアハウス内で、居心地の良い距離感を保つ為に、心掛けていることは何かありますか?

 ■ちょっとしたことでも伝える

中島さん:私は、ちょっとしたことでも伝える、自分の中で溜めないのは大事かなぁと思います。

堂脇さん:そうですね。住民同士のLINEグループ等で、些細なことでもこまめに伝え合うようにしています。そうすることで、互いにストレスを溜めずに暮らせますし、例えば、誰かが風邪を引いた時には「風邪引いちゃって、誰か買い物行く人いますか?」「私行くよ~何か買ってこようか?」等やり取りして、助け合いもできますからね。

 

■共同生活のベースを示す

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堂脇さん:私がオーナーとして、「生活する上で、こういうことは意識して欲しいな」と思う時には、LINE等で住民に一斉に伝えるようにしています。例えば、誰かがゴミを片づけ忘れた時に、直接伝えると、言われた人は感情的になってしまう。ゴミを片付ける人は、私でも誰か気づいた人でもいいんですが、「ゴミを片付けましょう」と全体に呼びかけるのは、オーナーである私の役目なのかなと思っています。

中島さん:堂脇さんが、そうやって「これは気を付けてね」というベースを示してくれるから、ここはとても生活しやすいですよ。キレイの価値観は人それぞれなので、オーナーが共同生活のベースを示すのは、共同生活を送る上でとても大切だと思います。

 

堂脇さん、中島さんに聞く!シェアハウスとは、そしてわが家・豊富町のこれから

―お二人にお伺いします。ずばり、お二人にとって、シェアハウスとは何ですか?

■シェアハウスはつながり

堂脇さん:「つなぐこと」なのかなと思っています。今私が生きている事も命を繋いでいる事だと感じているし、母としても、カフェの営業も、地域での様々な活動も、全てに一貫している想いは「生きることはつなぐこと」ということ。シェアハウスでも、様々な「つなぐこと、つながり」が生まれていると感じています。

中島さん:「つながりの窓口」でしょうか。豊富町に移住して、わが家に住んで、たくさんの人とのつながりを得ました。人とのつながりから、良いも悪いもひっくるめた豊かさを感じています。時には面倒なこともありますが、持ちつ持たれつ、話し合って問題を解決していく関係は、とても心地良いですね。

 

 ―堂脇さんにお伺いします。シェアハウスわが家の今後の展望を教えてください。

堂脇さん:ここは「未来につながる場」として立ち上げました。生活する人にも、ここで暮らしながら仕事を探す、次のステップを考える等、「次につながる場所」として使ってもらえたらいいなと思います。そしてゆくゆくは、湯治に訪れる親子をサポートするという夢を実現していきたいです。

 

―中島さんにお伺いします。豊富町のこれからについて、感じることがあればお話しください。

中島さん湯治目的の移住者が、自ら発信して、役場や地元の人たちを巻き込んでいくような動きがあります。「豊富温泉に、まちの人たちに、恩返しがしたい」という想いが強いんです。2015年の夏には、ヤドカリハウスHPを制作したwebデザイナーを中心に、私や堂脇さんも一緒に豊富温泉もりあげ隊を結成、ナツカフェというイベントを開催しましたが、今後もこうした新しい動きをどんどん起こして、豊富町を盛り上げていきたいと思います。

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豊富温泉もりあげ隊HP。堂脇さん、中島さん等、豊富町への移住者を中心に結成。

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2015年7~8月開催のナツカフェ。湯治目的の移住者を中心に、カフェやヨガ教室等を開設。

 

 

学校帰りの高校生から中高年まで、地元の家族連れや会社員、移住してきた人等、さまざまな人が集う、まさに「わが家」のような餅Cafe&Stayわが家。

湯治目的の移住者が、自ら場所を作り、豊富温泉やまちへの恩返しの気持ちを込めて、地元の人たちを巻き込んでまちを盛り上げていく。

豊富町に暮らす人たちの「ありがとう」の気持ちがぎゅっと詰まった、わが家訪問でした。

 

ご協力いただいた、堂脇さん、中島さん、ありがとうございました!

 

※お問い合わせ先

餅Cafe & Stayわが家 http://tsunagu8wagaya.jimbo.com