多摩川まで徒歩3分、「川をイメージしたコンテンツでちょっとこだわりのある日常を」というコンセプトの元に立ち上げられた、SHARE PLACE田園調布。72部屋の居住スペースと1室のアトリエを備えたこちらのシェアハウスでは、大型シェアハウスの特性を活かし、屋上にウッドデッキと家庭菜園、キッチンスタジオを彷彿させる広々としたキッチンとダイニング、リビングの隣にある土手をイメージしたリラックススペースなど、充実した設備を取り揃えています。
土手をイメージして作られた共有スペース。家でパーティーを開いてほどよく酔っ払ったあと、ここでゴロゴロとするのが最高だそうです(笑)
住人総出で屋上菜園の世話をしたり、落語家の先生を招いて落語の公演を開催したりと、住人さんの交流するイベントも定期的に開催されているそうです。
今回は、このSHARE PLACE田園調布に住みつつ、名古屋でも大規模なイベントを開催したり、個人のシェアハウスを運営したりと、多岐にわたって活動を行っている武鑓恭平さんにお話を伺いました。
名古屋では多くのイベントを企画・開催
ー名古屋ではイベントをよくされていたとのことですが、どのような活動を行っていたのでしょうか?
武鑓: 東京に来たのはちょうど1年くらい前で、それまでは仕事で名古屋に5年半くらいいました。名古屋に始めて行った時は、知り合いはほとんどいませんでした。
旅先で出会った友人の繋がりなどで少しずつ輪が広がっていたそんなときに、同年代の子が企画しているハロウィンパーティーに誘われたので、参加したんですよ。それがすごく楽しくて。「なんかいいなー」と思って、自分でもそこからイベントを主催するようになりました。元々同窓会の幹事をやったり、人を自分の家に呼んでワイワイするのが好きだったっていうのもあるんでしょうね。
名古屋では、多いときでは150人くらいの友達を集めてハロウィンパーティーをやったり、クリスマスパーティーをやったり、運動会をやったりと、イベントを開催していました。
武鑓: それから、同年代で面白いやつらが集まって、仕事以外で面白いことができればという思いで「sharebase」という、コワーキングスペースをゆるくしたような、大人の秘密基地のようなものを作りました。
TedxNayabashiを開催するなど、sharebaseをきっかけに数多くのプロジェクトが立ち上がったそうです。
ー大規模なイベントを開催することの、どんなところに魅力を感じているのでしょうか?
武鑓: 仕事がお客さんから少し遠い仕事で、直接「ありがとう」って言ってもらえることが少なかったんですよ。イベントだったり、運動会だったりとか、面白いことをやる中で、みんなから「ありがとう」って言われるのが嬉しくて。やってるときは「大変やからこれで最後にしよう」と思うんですけど、「たけちゃん、次は何やるの?」って聞かれると、「まぁ、やるかぁ」みたいになっちゃって(笑)東京に来てからも、名古屋で運動会もクリスマスパーティーもやりました。そのくらいみんなに「ありがとう」って言われるのが嬉しくて、みんなが好きで、そこで好きな友達同士が繋がって仲良くなっていくのが嬉しいんですよ。
ーイベント開催のときに気をつけていることってどんなところですか?
武鑓: イベントを開催するときは、「期待をいい意味で裏切りたい」、「みんなが思っている以上の楽しさを提供したい」っていうのは思っています。楽しみなのが、イベントの後のアンケートを読むことなんですよ。「期待以上に楽しかった。」に◯がついてたり、コメントを書いてくれたり、それを読むのがすごい楽しい。
あとは、ただ場を用意するだけじゃなくて、そこで繋がってもらいたいし、その場だけで終わりにして欲しくないから、知らない人とも仲良くなれるようなコンテンツとかを作っています。話しやすい環境だったり、アイスブレイクのゲームだったり。
基本的には、友達とその友達で広がっていく輪だから、同じ空気感でいられて、その場所の合わない人はいない。っていうのが、みんなが喜んでくれることにつながりますね。安心できるメンバーが集まっているので、どんどん友達になっていきます。
「こことここ合いそうだな」って思ったら、俺が間に入って、紹介してつなげたりもしてます。そういうのが好きなんでしょうね。気がつけば勝手にやってる。別にカップルだけじゃなくて、気が合いそうだなって思うと、男同士でも女の子同士でも繋げます。
名古屋では、運動会を5回くらいやってて、運動会派生で結婚してる人もいます。一緒に同じ目標に向かって、同じことをやるっていうのがいいんじゃないですかね。大人になって本気で体を動かすこともないし、やっぱり気持ちいいですね。
東京転勤をきっかけにシェアハウスに入居
ーなぜ東京でシェアハウスに住むことになったのでしょうか?
武鑓: 次はシェアハウスを作りたいなって話になっていたところで、東京に転勤が決まったんですが、「じゃあ勉強も兼ねてシェアハウスに住もう」と思い、10件くらいのシェアハウスを内見に行きました。その中で、屋上がすごく気に入ったので、ここに決めました。
コミュニティを求めてきたっていうのもあるし、自分でシェアハウスをやろうと思っていたのもあって、シェアハウスしか考えていませんでした。元々ワーホリでオーストラリアに行ったときにシェアハウスに住んでいたことがあったんですけど、日本では今回が始めて。住んでみて、改めていいなぁと。元々、バックパック旅行が好きで、色んな国の人と喋ったりするのも好き。人が好きだから、全然抵抗がありませんでした。
決め手になった屋上菜園、みんなで農作業をするのもちょっとしたイベントに
ーシェアハウスでの日常生活はどのような生活なんでしょうか?
武鑓: 帰ってきたら一回部屋に帰って、ご飯を食べるときはリビングに来ます。仕事も結構遅いから、帰って来て晩御飯を作ることもあれば、食べて帰ることもあります。それ以外は部屋にいることが多いです。でも、12時くらいに遅く帰ってきても、人がいたらちょっと寄って、話し込んで遅くなることはありますね。この前も、木曜日の夜12時過ぎに帰ってきて話をしていたら、2日後のロックフェスタに行くことがそこできまっちゃいました(笑)
たまにシェアハウスでワイン会をやったり、シェアハウスのメンバーと出かけたりもするけど、シェアハウスのメンバー限定というわけでもなく、シェアハウスに人を呼ぶこともあります。最近では、友達を呼んで筋トレをやったりしていますね。
ーシェアハウスに入って良かったところってどんなところですか?
武鑓: 色んな人がいて面白いところですね。自分でフリーでプログラマをやってる人とか、大企業を辞めて編集の仕事をしている人とか、商社マンで海外に行ってる人とか、色んな仕事をしてる人がいます。ただ、シェアハウス内の人たちが繋がって、ビジネスが生まれるってほどではないですね。プライベートを楽しみつつ、生活してる人が多いイメージです。
逆に、名古屋で作ったsharebaseは、誰かが「こんなことがやりたい!」っていうと、「俺はこれできるよ」とか、「俺だったらこういう人紹介できるよ」って言う人が出てきて、それぞれの持ってるスキルとか人脈とか環境を生かして新しいものが作り出せる場所でした。
ーシェアハウスのイベントもよくあるんですか?
武鑓: イベントは、管理会社が年に2回程度のイベントを開催しています。それ以外にも、住人企画で、クリスマスパーティー、ハロウィンパーティー、お花見みたいなことをやっていますね。シェアハウス全体でやるイベントというより、シェアハウス内で仲良くなったメンバーで何かしようというのが多いです。
ー72部屋もある大型のシェアハウスだと、人の入れ代わりは激しいですか?
武鑓: そうですね、新しい人が来ても慣れちゃう部分はあります。10人の家だと、1人の入れ代わりは大きいけど、70人だと薄れちゃいますね。今、70人くらいいるんですけど、リビングに降りて来るのは半分くらいですね。自分が入って来たときも、「自分の歓迎パーティーをやるんで、関西人だからたこ焼きパーティーしましょう!」みたいなことをやったけど、自分以外でそんなことをした人は見たことないです。もっとウェルカムな空気を作っていきたいなぁと考えています。
ーシェアハウスに住んでいて幸せを感じるときってどんなときですか?
武鑓: シェアハウスで飲んですぐ、そのまま寝られることですね。リビングにある土手で寝られる。みんなそれぞれ特技があって、ワインソムリエがいて、鹿とか猪の肉を仕入れられる人がいて、料理ができる人がいて、リビングがレストランみたいになって、次々と美味しい料理が出てきて。そのときは、「シェア最高!」と思いました。それ以外にも、裁縫できる人がいて、ちょっとしたものを直してもらったりするのは助かりますよね。
名古屋のシェアハウスを中心に人が繋がる場を作っていきたい
ー名古屋にシェアハウスをオープンしたそうですが、どんなところなんですか?
武鑓: この4月に、縁があって一戸建をリノベーションした8人シェアハウスを名古屋でオープンすることができました。本当はそこのコミュニティ作りに力を入れたいんですけど、今は東京にいるので名古屋の人に任せちゃってます。それと意外に僕がはいらなくても住人で仲良くなっています。笑
ーなぜシェアハウスを作ろうと思ったんですか?
武鑓: 人生楽しいって思える人を増やしたくて。「プライベートでできることはなんだろう?」と思って、イベントやったりシェアハウス作ったりしています。
俺が名古屋をすごく楽しいと思えるようになったのは、人と繋がったおかげなんですよ。東京の方が色んな所から来て上京してくる人が多いけど、名古屋でも誰も知らないで名古屋の土地に来たとか、元々名古屋に住んでるけど会社と家の往復だけみたいな人が結構いると思っていて。そういう人にとって、人生楽しいと思えるような場所の拠点を盛り上げていくような活動がしたいです。色んな人がそこに集まって、「私はこういうことできるから、こういうことをしよう」みたいな、そういうのを名古屋でやりたいなぁと思って作りました。
シェアハウスの人たちだけの場所じゃなくて、いろんな人が出入りするようなシェアハウスにしていきたいです。シェアハウスでコアな人が集まれる場所があって、そこに人が集まる。週末はそこのメンバープラスアルファで大人の遠足みたいな感じで遊ぶ。年に何回か大きな運動会やって。そこでカップルができて結婚しますってなったときにプロポーズ大作戦をみんなでやって。みたいな。
ー結婚したあとはどうするんでしょうか?
武鑓: 結婚したら、シェアハウスを卒業した人が済むような所があって、そこでは複数の家族が住んで一緒に子育てをしたりしています。村じゃないけど、お隣さん、地域のコミュニティが強い所も作っていきたい。そこで子供ができたら、みんなで「はじめてのおつかい」をやって。俺、はじめのおつかいが凄く好きなんですよ。そうやって、出会いから子供の成長の過程まで、ちゃんと残していきたいですね。
ー最後に、シェアハウスに住むか悩んでる人に一言お願いします
武鑓: 今後、シェアハウスっていうのが一般的になると思っている。ただ楽しいだけじゃなくて、シェアハウスに住んだ方が自分の視野も広がるし、いろんな人との出会いで人生って変わっていくと思うから、そういう出会いの場としてもシェアハウスってすごくいいなって思います。シェアハウスに住むかどうか迷っている人がいたら、是非シェアハウスに住んでみて欲しい。すごくオススメします。